mysnipbox
← 記事一覧

他人が作ったAI画像のプロンプト構造を数秒で分解する方法(Midjourney・Flux)

2026年10月28日 公開 · 読了目安 6分

DiscordやギャラリーでふとAI画像に目が止まります。光の具合も質感も構図も、まさに探していた雰囲気です。そこでたいていは、画像をにらんでプロンプトを推測します。「cinematic portrait, soft light」と入れてみて、近いものが出たら、そこから1時間ひたすら微調整、というのがお決まりの流れです。

問題は目のよさではありません。画像は結果であって、どんな選択が積み重なってできたのかは隠れています。全体をまるごと当てにいくより、選択ごとに分けて見たほうがずっと早いです。

長いプロンプトを1本まるごと推測してもうまくいかない理由

完成した画像には、互いに独立した選択が詰まっています。何が写っているか、どう作られたか、どんな光か、どう切り取られているか。これを一度に推測すると、どこか1か所を外すだけ(レンズの質感が違う、光が硬すぎる)で全部書き直しになり、しかもどこが合っていたのかもわかりません。

画像を「原子」に分ける

mysnipboxは、ビジョンモデルが読み取った内容を6つの固定カテゴリに整理するので、結果はいつも同じ形になります。

カテゴリ答える問いトークンの例
Subject(被写体)何が、誰が写っているかchubby round bodies
Style & Medium(スタイル・画風)どう作られたか。レンダリング方式、質感、レンズclaymation texture, 85mm lens photo
Action & Pose(動作・ポーズ)ポーズ、視線、カメラアングル、構図front view, centered composition
Attire & Details(衣装・ディテール)身につけているもの、持っているもの、細かな特徴knitted blue scarf
Environment(環境)背景やシチュエーションseamless studio backdrop
Lighting & Palette(照明・パレット)光、影、色soft studio diffusion, vibrant pastel palette

ふだん「カメラ」と呼ぶもの(アングルや構図)はAction & Poseに、レンズや写真のスタイルはStyle & Mediumに入ります。全カテゴリはタグカテゴリで確認できます。

プロンプトがどう変わるか見てみましょう。1つ目はまるごとコピーするしかない1本の文字列、2つ目は同じ内容を組み合わせ可能なパーツに分けたものです。

長い1本のプロンプト(再利用しにくい)

cute claymation ducks in a 2x2 grid, knitted scarf, strawberry hat, soft studio light, pastel colors, front view, 3d render

  • Subject: four cute duck characters, chubby round bodies
  • Style & Medium: 3d digital render, claymation texture
  • Action & Pose: front view, centered composition
  • Attire & Details: strawberry hat, knitted blue scarf
  • Lighting & Palette: soft studio diffusion, vibrant pastel palette

mysnipboxなら4ステップ

  1. 1画像を追加します。 ウィンドウにドラッグするか、貼り付けます。設定でインポート時に自動分解がオンなら、画像が入った時点で分析が始まります。オフの場合は、インスペクターからDecomposeを実行してください。
  2. 2ビジョンモデルに読ませます。 モデルは自分で選べます。自分のAPIキーで使うクラウドモデル(Gemini、OpenAI、Claude)か、Ollama経由のローカルモデルです。ローカルモデルなら画像がPCの外に出ません。クラウドのプロバイダーには分析する画像が送信されるので、機密性の高い参考画像にはローカルモデルを使ってください。プロバイダーとローカルモデルも参考にどうぞ。
  3. 3結果をカテゴリごとに読みます。 すべてのタグが上の6段に整理されるので、被写体は飛ばして、照明だけをさっと確認できます。
  4. 4使いたいトークンをクリックしてプロンプトバスケットに入れます。 タグはカテゴリごとの段に並び、ドラッグで順番を変えられます。完成したプロンプトは作業中もリアルタイムで更新されます。
アプリで分解した参考画像です。タグがカテゴリごとに整理されているので、被写体は外して照明だけを借りることができます。サンプル画像とタグはWebデモのものです。

クラウドのFlash系モデルなら、分析は通常数秒です。ローカルモデルはGPUやApple Siliconのメモリ次第です。どちらでも、ひとかたまりのテキストではなく、構造化された結果を読めるのは同じです。

インスペクター · Subject

veteran blacksmith熟練の鍛冶屋{subject}cinematic lightingシネマティックライティング35mm lens35mmレンズ{color}volumetric fogボリューメトリックフォグ

プロンプト出力

a {subject} forging a blade in a dim workshop, wearing a {color} leather apron, cinematic lighting, 35mm lens, volumetric fog, hyperdetailed

レンダリングごとに{subject}と{color}だけを入れ替えましょう — テンプレートの他の部分はそのまま固定されます。

タグと {variable} スロットがプロンプトバスケットで1つになり、組み立てられたプロンプトが下に表示されます。

1つのレイヤーだけ借りて、あとは入れ替える

分けておくメリットが出るのはここです。参考画像の光は気に入ったけれど、被写体は自分のものにしたい。そんなときはLighting & Paletteのトークンだけ残して、ほかを差し替えます。

光とパレットはそのまま

soft studio diffusion, subtle contact shadow, vibrant pastel palette

被写体だけ自分のものに

a ceramic teapot with a knitted cozy, 3d digital render, claymation texture, front view, soft studio diffusion, subtle contact shadow, vibrant pastel palette

よく使うパターンなら、変わる部分を{subject}のような変数にして、バスケットをテンプレートとして保存しておきましょう。出力形式も選べます。カンマ区切りのほか、タグ形式の入力を求めるツール向けにアンダースコアやハイフンでつなぐこともできます。詳しくはプロンプトバスケットとテンプレートをご覧ください。

わかること、わからないこと

  • わかるのは、画像がどう見えるかをプロンプトの語彙で表したものです。作者が実際に使った元のプロンプト、シード、モデルのバージョン、--arや--srefといったパラメーターを復元するものではありません。
  • トークンは「強力な出発点」と考えてください。生成して、参考画像と見比べて、1レイヤーずつ調整していきます。
  • 結果が物足りないときは、より強力なモデルでRe-decompose with Vision LLMを使うか、設定のタグ抽出密度(Simple、Detailed、Ultra-Detailed)を上げてみてください。
  • 画風を学ぶことは、他人の作品をそのまま真似してよいという意味ではありません。参考画像は「何が効いているのか」を理解するために使い、仕上げは自分の作品にしましょう。

どのモデルで画像を読ませる?

MidjourneyやFluxの画像なら、どのビジョンモデルでも分析できます。無料のクラウドで試したいなら無料のGemini APIキーの取得と設定を、すべて手元のPCで完結させたいならOllamaでローカルにプロンプトを逆生成する方法をどうぞ。

まとめ

長い1本の文字列を推測するのはやめて、画像を被写体・スタイル・カメラ・照明・パレットに分けましょう。気に入ったレイヤーは残して、ほかを入れ替えるだけです。macOS・Windows版mysnipboxをダウンロードするか、サンプル画像で流れを試せるブラウザデモをどうぞ。